冴えない感想の綴り方

たまにはここも更新しないとなというわけで今更ですが 冴えない彼女の育て方 の話でも。

もともとTVシリーズは未視聴で各コミカライズを1年前くらいに読んでいた程度で、 しかも本編ではなく「恋するメトロノーム」の方が好きだったというくらいで、 そこまでの思い入れもなかったわけですが、 劇場版はいわゆる完結編らしいという事らしく、 とりあえず結末は気になるよねという感じで映画館に足を運んでみたわけです。 が、これがすごく良かった。

んでその時ついてきた特典小説がまた良かったので、「これは原作が気になる」……と原作本編とGirls SideとFDとMemorial全巻を1ヶ月もせぬ間に読み切ってしまいました。

まず、前提として自分がギャルゲー全盛期を多少知っていて、クリエイターではないにせよ絵を描いたりしている自分にとって、 メインストーリーのひとつである「同人ギャルゲー制作コメディ」という部分がしっくりくる。 そして、数多く散りばめられたメタネタ・業界ネタも不快でないどころかキャラ達のオタクという部分をむしろ深めていく。 そして純粋な青春の恋物語なんて恥ずかしすぎて直視できないオタクに救いをくれる。

恋物語としてもキャラ達のリアルとゲームの中をシンクロさせつつ、さらにヒロイン間の感情をつなぎつつ、も含めて立体的に構築されている。 それは本編から見れば裏の部分の「Girls Side」にとどまらず、本編の構造を活かした"別の世界線"の「恋するメトロノーム」にまで及び、 それらがギャルゲーの都合の良いハーレム妄想を物語に昇華する。

それでいて強いお涙頂戴すぎる波乱もなく、観ている側のストレスにならない程度におそらくは意図的に制御されており、 そして細部の描写で観ている側を悶えさせる。

またね、倫也が恵を選ぶ理由もまたオタクの等身大で好きなんですよ。

まあ一言で言えば、すべてがオタクに心地よい。これに尽きる気がします。

感想としては微妙ですが、とにかく良いものを読ませていただきました。
もっともリアタイなら7年楽しめたものを1ヶ月で消化してしまったのにはもったいなさというか、 リアタイでならもっと深く影響を受けてたのではないかという思いもないでもないですが、 逆に私の読解力では原作1巻2巻の段階ではこのおもしろさには気づけなかったのではないかという気もします。