raytrektab RT08WT

ここ最近、私のメインモバイルPCだったのはR80TA-3740SことASUS VivoTab Note 8
当時流行してた8インチのAtomタブレットPCですが、 この機種はワコムの電磁誘導式のデジタイザを搭載していた事が特徴で、 当時は高かった液タブのお試しを兼ねて購入したマシンでした。
実際VivoTabで液タブのメリットを感じれた事がCintiq pro 13の購入に繋がりましたし、 かつて帰省時にノートPCと板タブと……と持って帰っていた事を考えると このお値段でペンまで使える軽量なモバイルPCが運用できるという点でありがたかった存在でした。

とはいえ、Atom Z3740にメモリ2GBというスペックはさすがにつらくなってきたわけですが、 ここ最近は情報セキュリティやらなんやらで私物のモバイルPCを外で使う機会自体が すっかり減っていたために新しいのを買う程の理由もなくそのまま使っていたわけです。

しかし、このコロナ禍で逆にタブレットPCの必要性が出てきたのです。 こたつ用PCとして。 こたつでごろごろしているとスマホでゲームとTwitterははかどっても お絵かきとかはまったく進まないわけですよ。

そこでクリスタの32bit版の更新が終わったり、 raytrektabのお値段が29800円まで下がって来た事もあり、 raytrektab買うか!となったわけです。


とりあえずスペックをVivoTabと比べてみる
RT08WTですが、VivoTab Note 8同様にワコムデジタイザ搭載の8インチタブレットPC。 液晶の解像度も1280×800で変わらず、 CPUもRT08WTはCeleron N4000とAtom系統ですので、形態的には同ジャンルの製品と言って良いと思います。
ただ、raytrektabが特徴的なのは、製品コンセプトとしてお絵かきを前面に出している事。 (まあ、このジャンルの製品自体最近ほとんどなくなったのでそれだけで特徴的ですが)
そのため、この手の低スペックCPU機には珍しくメモリが8GBでストレージが128GB搭載されています。
代わりにタブレットPCには珍しくカメラが搭載されていない他、VivoTabには搭載されていたMS Officeもありません。
あと地味に嬉しいのはWindows 10がHomeではなくProな所。 メンテナンス系の作業をデスクトップPCからリモートデスクトップで出来るの便利なんですよね。 というかWindows 10 Proで29800円って時点で結構凄いな。
とりあえず使ってみる
あと、とりあえず箱開けて驚いたのはVivoTabに比べて重いこと。
VivoTab: 220.9×133.8×10.95mm 380g
raytrektab: 210.0×124.5×9.6mm 434g
スペック上54g差ですが結構差を感じます。
片手で持って描く事考えるとVivoTabより重くなったのはちょっとマイナスです。
またサイズはraytrektabの方が一回り小さいのですが、 VivoTabと違い端まで厚みが均一なのとホワイト&背面金属外装と排熱用 スリットの物々しさもあって、存在感はむしろあります。
スペックがスペックなので大した期待はしてなかったのですが、実際動かしてみると、 自分がVivoTabで耐性あるというのはあるにしても、思ったより普通に動く感覚です。メモリ8GBすげー。
画面解像度はいかんともし難いですがその代わり片手で持てますし。
重さ以外で気になった点としては、見かけの割にUSB PDの12Vを要求するので実はアダプタを結構選ぶ点。
標準添付のアダプタがケーブル直付でケーブルの長さに融通効かないので、別のを使おうとするとこれだよ!
あとは、標準で画面に貼ってあるフィルムが画面の見えが悪いのとタッチの指の滑りが悪いのは気になりますが、 これはペンタッチ重視なので仕方のないところでしょうか。
それにしてもテジタイザがかなり良いです。
あえてペン向けにしたフィルムと「筆圧4096階調、スキャンレート360Hz、傾き検知」というスペックは伊達ではないというか、 もちろんCPUパワーの差もあるでしょうがVivoTabと比べるとクリスタで描いて「あ、違うわ」と思える差があります。 液タブ使ってる身からしても違和感がありません。
ペンについては標準ペンは芯先がかなり細いのが良い反面、筆圧の出がかなり硬いので、柔らかめが好みの人はクリスタでの筆圧調整必須だと思います。 ただ、自分はクリスタの筆圧設定をデスクトップPCと合わせたいので、筆圧が普通に出るHi-uni DIGITALをメインにしてしまってます。 VivoTabと違い標準ペンも本体収納できないので標準ペンにこだわる必要ありませんし。
(デスクトップPCと筆圧設定を揃えると何が良いのかというと、 こたつに居ながらraytrektabからリモートデスクトップでデスクトップPCのクリスタを使うという使い方が出来るのです)
気になったのでベンチマーク動かしてみる
Celeron N4000が遅いのは知ってるけど、実際問題どんなもんなの?
というのが気になったのでAtom Z3740のASUS VivoTab note 8と Core i5-2467Mのマウスコンピューター LuvBook X LB-X200S(バッテリー死んで据え置き化)と 比べて見ることに
……と思ったのですが、raytrektabは良いのですが比較対象のVivoTabでPCMark 8を動かしたら半日たっても終わりゃしない。 この時点でちゃんと完了したCeleron N4000は偉いよ……。
ダメ元で32bitサポート対象外のPCMark 10を動かした所、 VivoTabではDigital Content Creationでスコアが出ない(X200Sも出なかった)もののそれ以外はちゃんと完了したのでこちらで比較。
PCMark 10
Essentials / Productivity / Digital Content Creation / Total
 raytrektab RT08WT : 4101 / 2694 / 865 / 1521
 VivoTab note 8 : 1648 / 1356 / - / -
 LuvBook X LB-X200S : 4117 / 2827 / - / -
CINEBENCH R23 Multi Core/ Single Core
 raytrektab RT08WT : 674 / 406
 LuvBook X LB-X200S : 741 / 397
メモリやストレージの差もあると思いますが、VivoTab note 8の2倍、 X200Sとは同等あるいは少し落ちる程度ってところでしょうか。 9年前のCore i5同等か……というとあれですが、Celeron N4000自体が4年前発表ですしね。 それに機能的な所はきっちり新しい分、X200Sではスコア出ないテストもスコア出てますし。 それにX200Sはここまでぶん回すとファンは唸るは一部は火傷しそうな程に熱くなる事を考えると技術の進歩はそれなりにあるんだなと。
ちなみに購入前にこちらでタッチパネル関連の不具合がある という話を見つけていたのですが、うちの個体ではこの現象は今の所発生してないです。

まとめるとスペックから身構えていた割にはちゃんと使える印象です。 登場当時の49800円だと今時選ぶかは微妙な所ですが(もっともOSやデジタイザを考えると納得できる値段ではある)、 29800円ならガジェット的にありじゃないという。

実際、この値段と8インチというサイズの組み合わせならiPadやiPad miniとも差別化出来てるのでおもしろいなーと行った所。 (以前raytrektabにあった10インチだとiPadが安いので微妙だけど、8インチならiPad miniが高いので差別化出来なくもないという)

まあ、バリバリ描こうとするとスペック以前に左手デバイスとキーボードがないのがきつい(わざわざ用意するならデスクトップでいい)ので、 絵描き用としてはあくまでラフとか軽い作業中心になりますが、 個人的にiPadにはあまり手を出したくないのもあって頑張ってほしい製品ジャンルであります。

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