小説感想:キミの忘れ方を教えて

というわけでまた小説感想エントリです。

前回のエントリ書いて思いましたが、小説にしろライブにしろ読ませる感想書ける人凄いですね。
自分が文章が得意でないことを改めて思い知らされます。

そして実はあるラノベの感想を書きたいがために始めた所もあるのですが、 果たして飽きずにその本の感想を書くことができるのでしょうか。
前途多難です。

さて、今回はあまさきみりとさんによる「キミの忘れ方を教えて」。
前回よりネタバレ成分濃いめでお届けいたします。


大学中退して寂れた田舎である旅名川の実家に戻ったニートの松本修は手術しても根治しない病を宣告される。
そんな彼が有名なシンガーソングライターとなった幼馴染の桐山鞘音と再会する。

というプロローグ。

タイトルから感じる通りの切ないとした話……と思いきや、 旅名川の個性的な人達との愉快なやり取りで着飾ったストーリーや鞘音の想いの揺らがなさ、話の焦点が修を絞っている事でストレスなく読めます。
旅名川の田舎という舞台と人々が、成人になろうという2人なのに擦れてない空気に説得力を与えているのですよね。

あとこれは普段映画をほとんど見ない私の感覚なので、実際にはかなり的外れだとは思うのですが、 ラノベでありながら「邦画のラブストーリーにありそうな空気感」を感じました。 あまさきみりとさんの別の作品の「星降る夜になったら」や「忘れさせてよ、後輩くん。」も同じような空気を感じたので、 作者さんの作る空気なのでしょうか。 ちなみにこの2タイトルも良いです。後者は完結していませんが、前者は1冊完結なのでその点でもオススメできます。

かと言ってじゃあこういう邦画が好きなのかというとそうではないのですが。 私は基本的に耐性がないのでいいシーン悪いシーンに限らず映像だと直視できないものってのが多いのです。 その時、映画館で見る映画は自分で時間をコントロールできませんが、小説なら自分でコントロールできますらからね。

まあそれ以前の問題として三次元の美男美女のきゃっきゃうふふなど嫉妬しか起きんわけですが。 のでその点でもオススメできます。

さて、だいぶ脱線しましたが話を戻しましょう。「キミの忘れ方を教えて」は現在2巻まで出ていますが、修と鞘音の関係としては1巻で一つの決着がつきます。
なので2巻は旅名川の住人の一人で二人の先輩にあたる雛子に焦点を当てた話になっています。

(すいません。ここからかなりネタバレです) でも1巻のあとがきで「ここまではプロローグ」と書かれているんですよ。
その通り、1巻で薄味だった内容が2巻で雛子の話の裏でじわじわと効いてきます。 雛子の話も2巻で歌った歌の内容もおそらくは後々に効いてくるのでしょう。

前述の「星降る夜になったら」や「忘れさせてよ、後輩くん。」も読んだ後だと、 尚の事、1巻のあとがきの「結末は書かないほうがいいのかもしれません。」という言葉に「ああ……」となります。

もちろんこの先があったとして結末がどのような物かは一読者の私にはわかりません。
それでも作中の人物達が「前に進むために」、結末が用意されるといいなあ……と思います。

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