ViXion01を買いました

ViXion01(公式ページ)を買いました。


一言でいうとオートフォーカスアイウェアと銘打たれた製品で、 メガネのレンズがオートフォーカスで焦点距離の変わるモジュールに置き換わったものです。

わかりやすい効能としては老眼であっても遠近両用や近々両用眼鏡を使わずに遠くも近くも見えるというのがあります。
私だとデスクトップのモニタと液タブの距離の違いですら別の眼鏡が欲しくなる感じになってきているので、こういうのはありがたいわけです。

とはいえ、お値段が10万近く(時々割引販売してる時がありますが)するので合う合わないがわからないうちにおいそれと買える代物ではないのですが、 幸い近くの家電量販店で試用できるので行ってみたところ、むしろ一緒に行った嫁様が食いつき、それならということで無事購入とあいなったのでした。

そして数ヶ月使ってみた感想ですが、基本的にはAV Watchでのレビューあたりに沿った感じ。 現段階ではやはり制約を感じる場面が多く、これから書く内容もどちらかというと難点が多くなるのはまあ仕方のないところ。

視界

まず気になる所はやはりレンズの小ささからくる視界の狭さ。
運転やスポーツに関しては公式ページでも禁止事項として記載されていますが、 そうでなくても外で使用するのはその見た目もあいまってちょっと厳しいと感じます。

具体的には文庫本を読んでると縦がちょっと視界に収まりきらず、頭を上下させないといけない感じ。
液タブで絵を描くと、拡大するような細かい作業では気にならないが全体のバランスを確認しようとすると視界に収まらない。
PCでのお仕事に使う場合、広い範囲を見渡せないので画面の広さが物を言うExcel等はまず相性が悪い。
プログラミングも意外とあちこち参照するので思ったより視界の狭さが気になります。
そしてマウスカーソルを見失いがち。

逆にkblogを書くなど、特に資料を参照せずにひたすら文章を書くみたいな用途だと、視界の狭さはあまり気にならないです。
スマホに関しても(後述のAFの問題はあるが)画面全体は視界に収まらないものの、デレステ・ミリシタあたりのリズムゲーはできますね。(Xperia 5Vの場合)

また私の場合、矯正しても左右の視力に差がある関係で片目で見ている感が強くなるため、自然な使い心地にとってマイナスになってます。 (眼鏡でも偏りはあるのだけどもViXionだとそれが視界の狭さによってかなり強調されるイメージ)

上記のAV Watchの記事で開発者の方がレンズのサイズが2倍になれば実用性は格段に増すとおっしゃっていたがまさにそんな感じだと思いました。

オートフォーカス

この製品の肝であるオートフォーカス(AF)ですが、速度はピント合わせをほぼ意識する事がないレベルで速いです。

ただし、視線とAFセンサーの軸は必ずしも一致しないので、 私の場合、スマホを手に持って使用する際には通知領域など画面の上の方を見たい時にフォーカスが後ろに抜けてしまう事が度々起きます。

こういう場合はいっそ机の上に置いて使った方が安定します。
あるいはマニュアルフォーカスのモードもあるのでそれに切り替えるか。

将来、レンズのサイズが拡大した場合は視線の移動量が増えるのでオートフォーカスのチューニングが肝になってくるんじゃないかなあと思ったり。 (逆に頭動かさずに視線移動で見れる範囲が増えるのでスマホなんかはむしろ逆にそれだけで改善しそうでもある)

あと仕組み上当然ではありますが、乱視は矯正できない(レンズが小さいので絞り効果で若干見え方は改善されるらしい)ので、 乱視持ちの私の場合、度数のあった眼鏡の見え方にはどうしても一歩劣るのは残念な所。
(試しにスマホ用に作った乱視だけ矯正する度数の眼鏡を二重がけした所、クリアになってちょっと感動した)

操作性

家電量販店で試用した際に決め手になったのは実は操作性。
オートフォーカスといっても最初は個人に合わせた調整が必要になるわけなんですが、 タイヤルとボタンの組み合わせでアプリなしで簡単にできるのです。
(アプリを使えばさらに調整の保存・呼び出しも可能になるのでそれはそれで便利)

この「手軽に度数を変えられる」というのが思った以上に強くて、 うちのように私と嫁様で共用するような若干特殊な場合はもちろん、 時間経過による度数の進行(毎年のように近視が悪化している)や 「夜になったら疲れ目で全然見えん」みたいな場合も そのときの状態に合わせて度数合わせられるのが地味に便利。

その他

一番傷つきやすそうな表のシースルーカバーはハードコートされており、交換用パーツも販売されているのは安心感の高まるところです。
(あとは鼻パッドも交換用パーツが販売されています)

ただレンズ本体については奥まった所にあってシースルーカバーほど触れてしまう機会は少なそうとはいえ、 昨今のメガネレンズほど汚れや傷に強そうではないので、ちょっと気を使う所。
(マニュアルによると撥水・反射防止の保護フィルムが貼ってあるようですが、現状貼り替え用のパーツ単品売りはなくユーザーによる貼り替え前提ではなさそう)

あと左右非対称のツルはさほど気になりませんが、ヘッドホン使う場合だけは右の太さはちょっと気になりますね。

バッテリーに関してはスペック上、連続使用時間10時間という事で1日使えるというわけではありませんが、 現状使い所がある程度限られるため、電池切れで困ることはあまりありません。

最後に

色々書いてきた通り、やや使い手と使い方的にスイートスポットの狭い製品です。
ただ現段階でもハマると便利なのは間違いなく、 特に乱視はないけど疲れ目で視力が低下する時が度々あって、主な用途が文章書きという嫁様には好評です。

10万円という値段に見合った高級感があるかというと微妙ですが、 作りや操作感自体はしっかりおり、スタートアップ企業の製品といってもその点に関してはあまり心配の必要はなさそうです。 (もともとHOYAから分かれた会社なんでそりゃそうだという所ではありますが)

なんで興味を持った方で試用可能な所に寄れる機会があるのであれば一度試してみるのをオススメします。

将来的には視界の拡大はもちろん期待する所。
また私の場合だと、合わせて乱視も矯正できような仕掛けがあるとうれしいですね。
視界の拡大のためにレンズが大きくなると絞り効果は逆に弱くなると思われるのでなおのこと。
(専用メガネと組み合わせるとか。購入した家電量販店ではメガネ売り場で売ってたので販売の仕組み的には専用メガネとのセット売りくらいならできなくもなさそう)

現状はバッテリーに不満はありませんが、視界が拡大して使用頻度が上がると現在の10時間だと物足りなくなるかもしれませんし、 その場合のバッテリーの寿命がどんなものになるかはちょっと気になる所。 (ViXion01に関しては使用頻度考えると次世代製品が出るまでは余裕で持つと信じていますw)

あとはやはり値段でしょうか。
職場で同じく興味を持っていた方は値段で断念してましたし、 私も最初は「半分の値段だったらお布施兼ねて迷わず買うんだけどなー」と悩んでおりました。 (最終的に嫁様が乗り気になったのでシェアできるという所で決断しましたが)

なんにせよ買ってよかったと思うと同時に今後が楽しみなプロダクトです。

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