そしてT3-01

そしてついにやってきました。今回の発端の TAGO STUDIO T3-01 IM@S-CG

標準のT3-01自体が6万円とPMA-60の実売よりお高い上に、コラボモデルのこれはさらに3万円上乗せの9万円。

とはいえ、付属のUSBメモリ(なんと専用ロゴがプリントではなくモールド!)には未発売曲を含む25曲のハイレゾ音源が入っていてそれだけで約14000円分相当以上。
ヘッドクッションやキャリングポーチのプリントといった所だけではなく、ヘッドバンド部のレーザー刻印、 そして左右の楓のハウジングのペガサスマークの彫り込みと、コラボモデルとしての作り込みはしっかりとしています。

それにT3-01自体、生産数がさほど多くなく、入荷する度にすぐ売り切れるといった品薄状態。 その中でコラボモデルの生産枠を確保している事を考えると、この+3万円は結構妥当という印象です。

で、肝心の音ですが確かにこれは良い。高解像度で癖の少ない締まった音に輪郭がぼやけない程度に響きが乗る感じ。 自分は元々密閉型で低音が締まった感じの音が好みなのですが、そこに聴きやすさがプラスされた絶妙なバランス。 個人的に特に気持ちいいのはボーカルやバスドラム。

そして鳴らす側の比較ですが、T3-01同様に解像度の高いフラットな音を出す傾向のNANO-D1の方がPMA-60より相性が良いです。 特にPMA-60の低音はほんの少し割れ気味?の傾向があるのかバスドラムの気持ちよさがNANO-D1程はありません。 この辺、元の値段で言えばNANO-D1はPMA-60と同クラスですから、DACに専念出来る分やはりアドバンテージがあるようです。 うちにはPMA-60だけが対応している384kHzやDSDの音源ありませんし。

ただ、スピーカー同様にギターあたりの弦の音に関してはPMA-60の強みがあります。 あと、立体感もわずかにPMA-60の方が上かなーと。

あくまでモニターライクに正確に鳴らそうとするNANO-D1に対して、 PMA-60はリスニング向けの味付けが入っている感じがします。

あと意外な所でPMA-60の強みが出たのがボリュームを下げた時の音の変化。 NANO-D1はボリューム下げると解像感が下がって音が遠くなっていく感じがするのですが、 PMA-60は遠さはそのまま音だけが小さくなっていく感じ。 思えばこのデジタルボリュームの優秀さがスピーカーをニアフィールドで聴く上でのPMA-60の良さにつながっているのかも。

そう考えると、音量大きめでがっつり聴き込むときにはNANO-D1、 BGMとして音量控えめに聴く時にはPMA-60という使い分けというのもいいのかもしれません。

これでちょっとした大事になったオーディオ環境の再構築も一段落……と思ったら、問題発生。 メインの液晶ディスプレイの調子が悪い(おそらく下部の操作ボタン周りの問題)。え、また出費なの?

まずはスピーカー

というわけでまずはPMA-60でスピーカーを鳴らします。

スピーカーはKAF-A55の前に使っていたSONYのミニコンポの付属スピーカー
最近の小型のミニコンポのスピーカーと違って155×250×250mm3.5kgと一般的なブックシェルフスピーカーくらいのサイズ。 当時の定価で一式8万円(購入価格は6万しなかったと思いますが)だったようで、 12cmグラスファイバーコーンウーファーに2.5cmシルクドームトゥイーターと意外と凝ったもののようです。

とはいえ、ハイレゾ以前の20年前の代物。 PMA-60と組み合わせるならDALIのSPEKTOR1くらいは用意すべき……とも思うんですが、 さすがに予算が……というのと、このスピーカー、 かっこいいのです。 フロントのカーボン調パネルにパープルのコーン。 ピュアオーディオ系の高級感ともモニタースピーカーの道具感ともまた違うこの感じ、 PC周りに置くにはいいんですよねぇ。 最近はミニコンポも高級感とかオシャレ系の傾向のデザインが多いので、こういうテイストの少ないですし。

さて前置きが長くなりましたが、実際PMA-60につないで聴いてみます。 スピーカーがこれなのでどれほど差が出るかと不安でしたが、さすがにKAF-A55と比べるとすごく良いです。 特に中高域が良く、弦の響きに立体感がある聴こえ方をします。アランフェス協奏曲とか聴くと気持ちいい。 いやあ、この20年前のミニコンポのスピーカー、いいアンプ繋げればここまで鳴るんだ。

他と比べない分には意外とスピーカーに潜在能力があったので、 それならもう少し手を入れようとスピーカーケーブルとインシュレーターに手を出すことに。

スピーカーケーブルはスピーカー側端子がプッシュターミナルでどうせあまり太いのも使えないので、LANケーブルをぶった切って使用。 Webで検索して見る限り、LANケーブルのスピーカーケーブル転用、割と定評あるようです。 切り売りのスピーカーケーブルと違ってわざわざ店行って店員さん呼び寄せて切ってもらう必要もないのもいいです。
交換した所、低音含めた解像感がさらにアップ。まあ元が細くて緑錆出てるようなケーブルだったしね。

インシュレーターは最初はオーディオテクニカのお手頃なやつ……と思いましたが、 金色にメーカーロゴとなんか見た目が派手で浮きそうだったので、オーディオ用というわけでもないようですがタカチの黒のアルミインシュレーターに。 これに上面の滑り止め用に0.5mm厚のゴムスペーサーを組み合わせて3点支持。
すると低音の音量が少しアップした代わりに低音の明瞭さが少し失われた感じ。 まあ、ゴムスペーサー入れてるし、ミニコンポのスピーカでインシュレーター入れる事は考えずに音作ってるだろうからこんなもんでしょう。 解像感はスピーカーケーブルで底上げした分があるのと、中高音とのバランスはインシュレーターありの方が良さそうなので採用とします。

しかし、こうしてグレードアップした音を聴くと、確かにオーディオの入口の音がするような気がします。
アイワのCDS-111というミニコンポから始まり、マランツPM453、ソニーCMT-PX5LTD、ケンウッドKAF-A55と来ましたが、 なんというかかつての実家のYAMAHA CA-2000とSONY SS-G7のシステムで聴いたあの音の香りがほんの少しするというか、なるほど一段上に来たなあという感じ。

ただ、発熱は触れなくなる程じゃないけど思ったよりありますね。 というか、フィギュア上に乗せても全然平気なくらい発熱が皆無に等しかったKAF-A55もあれはあれで小型のシステムとして凄かったんだなーと。 配線めんどくさいけどもう一度スピーカー周り手を入れたこの環境で鳴らしてあげてもいいかもしれない。

オーディオは結局納得出来るかどうか

というわけで前回の続き。

まず、アンプはPMA-60に決定。

もともと同価格帯では音の評価が高い上に、 昨今の半導体の供給難からかディスコンや品薄な製品が増える中、 ちょうど再生産がかかったらしく在庫が復活したというのもタイミングが良かった。 在庫が払拭してからの復活で確実に新しいロットが手に入るため、 この機種で多いらしい電源故障のリスクもだいぶ下がるでしょう。

最後のネックが大きさだったんですが、 ちょうど良い高さのディスプレイボードが見つかった事でディスプレイの下に配置可能になったことでクリア。 今使ってるディスプレイ、かなり下まで画面が下げられるので、多少高めの嵩上げしても相殺出来るんですよね。 これによってスピーカーも頭に近い高さにおけるのも良い。

で、これで終わりかというとそうでもなく。
PMA-60、どうやらスピーカーの音については評価が高いものの、 ヘッドホン出力については高インピーダンスのヘッドホンでも鳴らせるけど、 スピーカーの音ほどの良さはないという評価な様子。
スピーカー鳴らす環境のハイレゾ化としては問題ないものの、T3-01を鳴らす上ではどうなんだろうと?
とはいえ、さらに本格的なバランス接続の環境構築をするのはお財布的にしんどいなあ……。 PMA-60はAUX出力ないからZEN CANという選択肢も使えない。

……と思っていた所、家電量販店で見つけてしまったのが、 Olasonic NANO-D1 の展示処分品 正直、古い製品で入出力のスペックの面でそこまで興味のある製品ではなかったのですが、 FiiO K5 Proあたりの在庫切れてる中でHP-A4の半額近い値段ならありかなーと。
登場当時の値段が7万だった事もあり、作りや音は悪くないようですし、デザインも良い。 PMA-60よりかは音は良さそうですし、もしPMA-60とあんまり音が変わらなかったとしても諦めつく値段だなと。

ゲーム機からの音声を入れようとすると入出力インターフェイスが足りませんが、 ヘッドホンがアンバランス接続なら、ゲームをする時は ヘッドホンをPMA-60につなぎ替えることができるのでまあ許容範囲内でしょう。

そんなわけで機材の入れ替えは完了。 音の感想に関してはまた後ほど。